微酸性電解水とは

微酸性電解水の正式名称は微酸性次亜塩素酸水

水に少量の希塩酸を入れて電気分解して生成する電解型次亜塩素酸水です。

この中に含まれる「次亜塩素酸」には殺菌作用があり、幅広い細菌・ウィルスに効果があることが知られています。

微酸性電解水の誕生と認可の歴史

以前は給食でビンの牛乳が提供されていました。
この牛乳瓶の洗浄、殺菌に使用されていたのが「次亜塩素酸ナトリウム」です。

次亜塩素酸ナトリウムを使うと成分が残留し、塩素臭が残留し、味や風味に影響を与えること。クロロホルム、臭素酸などの発がん性物質の発生、有害物質が残留することなどの、問題がありました。

そこで、「次亜塩素酸ナトリウム」に代わる安心・安全な薬剤の研究が大手乳業メーカーを中心に行われた結果、1990年代に誕生したのが「微酸性電解水」です。

2002年に「微酸性次亜塩素酸水」と正式に命名され、厚生労働省により食品添加物に認定

2014年には塩を使わずに生成した無塩の微酸性電解水が環境省、農林水産省により特定防除資材に指定されました。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムとの違い

次亜塩素酸水は次亜塩素酸をたくさん含む除菌水。有効成分は「次亜塩素酸」です。

次亜塩素酸ナトリウムには「次亜塩素酸」は少量しか含まれず、ほとんどが次亜塩素酸イオンです。

この次亜塩素酸イオンには残留性があるため、次亜塩素酸ナトリウムには皮膚を溶かしたり、臭素酸やクロロホルムなどが発生するなどの問題があります。

画像はイメージです

次亜塩素酸水の除菌力と安全性

次亜塩素酸水次亜塩素酸ナトリウムと。名前は似ていますが、中身を比較すると…

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムと比べて約80倍もの殺菌成分が含まれます。

  • pH次亜塩素酸はpH 5.0~6.5の微酸性の時に安定して存在し、除菌力を半年以上保つようになる。
  • ppm:コロナに有効とされる濃度は35ppm=0.0035% (アルコールは700,000ppm=70%)
       低い濃度で効果があり、人にも環境にも負担がない

pHとは・・・水素イオン濃度指数。その液体が酸性・中性・アルカリ性のどこに分類されるかを示します。
ppmとは・・・液体の微量な濃度を示す単位。1ppmは100万分の1を表します。

除菌力が80倍というと劇薬のように思われるかもしれませんが、アルコールの濃度と比べてみると、新型コロナウィルスに有効とされる濃度は35ppm。これを%で表すと、0.0035%です。

アルコールの有効濃度は70%といわれていますが、ほとんど水の状態でこれだけの除菌力がある、ということが次亜塩素酸水のすごいところです。

しかも、次亜塩素酸は除菌後には水に戻るので残留性がないので、耐性菌を作ったり、環境負荷がかからないところも大きな特徴です。

次亜塩素酸水のメリット
  • 低い濃度(ほとんど水の状態)で、有効な除菌力がある。
  • 残留性がなく水に戻るので、環境負荷がかからない。

微酸性であることの意味

微酸性次亜塩素酸水の名前の由来、「微酸性」とは「わずかに酸性寄り」という意味。人の肌のpHと同じ5.0~6.5の範囲です。

次亜塩素酸はこの微酸性の範囲にあるときに安定して存在することができ、未開封で半年以上保存ができるようになります。

酸性になると塩素ガスとなってすぐに空気中に逃げ出してしまい、逆にアルカリ性になると殺菌力の弱い次亜塩素酸イオンが多くなってしまいます。

液体を微酸性の範囲に保つことが大変重要となるのです。

微酸性電解水の生成方法と除菌のメカニズム

微酸性電解水は水とごく少量の希塩酸を電解素襖で電気分解することで生成されます。

希塩酸には水素イオン(h+)と塩素イオン(CL-)が含まれていますが、水素イオン(h+)は電解槽の-極上で電子を受け取り、水素分子(H2)はガスとなり、溶液から出ていきます。

一方、塩素イオン(Cl-)はプラス極上で電子を奪荒れ、いったん塩素分子(Cl2)となり、周りの水と反応して分子上次亜塩素酸(HOCL)となり、微酸性電解水が生成されます。

次亜塩素酸は電解により電子が不足した状態なので、性質上周りから電子を奪い取ろうとします

微酸性電解水を噴霧(スプレー)すると、周りにある有機物(ウィルス、細菌、バクテリア)のような電子を奪いやすいものから電子を奪い、塩素のエネルギーを借りて酸化作用を起こすことで除菌効果を発揮します。

このようなメカニズムにより、微酸性電解水は有害物質の発生や耐性菌も作らない安全な除菌水と言えるのです。

微酸性電解水の安全性

各種安全性テスト

微酸性電解水は各種テストを行い、安全性を確認しています。(一般社団法人日本微酸性電解水協会資料より)

  1. 急性経口毒性テスト:ラットに経口投与した結果、動物に異常はなく、体重推移や刀剣での変化は認められなかった。
  2. 皮膚累積刺激性テスト:ウサギの短く刈りげした皮膚に添付を5日間繰り返した結果、刺激性は認められなかった。
  3. 眼刺激性試験:ウサギの目に滴下した結果、刺激反応は見られず、さらに体重にも異常は見られなかった。
  4. 変異原性試験:微生物(サルモネラ、大腸菌)を用いり復帰突然変異試験を行った結果、復帰コロニー数は陰性対照の1.5倍以下であり、かつ容量・反応関係は全く認められず、「陰性」と判定された。
  5. マウスを使った亜急性毒性テスト:ラットに90日間自由接種させ、反復飲水投与による毒性を調べた結果、死亡もなくすべての動物に異常は認められなかったことから、毒性は無いものと考えられる。
  6. トリハロメタン生成テスト:総トリハロメタンの代表であるクロロホルムの生成量を確認した結果、水道水で処理した場合と比較して新たなクロロホルムの生成は認められなかった。
  7. 食品衛生法飲滴試験適合:食品衛生法の規格基準「食品製造用水」に適合
  8. 水道法試験適合

ヒトの体内で作られる次亜塩素酸

次亜塩素酸は白血球の一種である好中球でも生産され、人の生体防御機能にも寄与していることがわかっています。

次亜塩素酸は外から体内に入ってくる細菌やウィルスから自らを守る免疫物質なのです。

免疫獲得に不可欠な好中球。好中球の中でも次亜塩素酸が作られている。

除菌後、水に戻るという特性

有効成分である次亜塩素酸(HOCl)は除菌・消臭後にはすぐに分解され、無害な水になります。

これが残留性のない安全な除菌水といわれるゆえんですが、この特性を考慮した保存や使用方法を工夫する必要があります。

微酸性電解水の保存性

微酸性電解水は光と空気に弱く、水に戻るという性質上、開封後の保存性が高くありません

充填前のタンク内や使用中の容器内で、有効成分が液体内から徐々に抜けていってしまうのです。

次亜塩素酸水のデメリット
  • 光と空気に弱く、保存が難しい。
  • 容器内で有効成分が抜けていってしまう。

当社独自の保存容器について

当社の微酸性電解水は日本微酸性電解水協会で認証されている機械で生成しています。

機械から直接出てくる液体は殺菌剤として認められており、食品加工工場や食品メーカーなどで手洗い用に使われています

ボトルや容器に入れた時点で雑貨扱いになるため殺菌剤としての認証は難しいのですが、これは微酸性電解水の保存性に問題があることにも起因しています。

ナイスシーズでは生成時の濃度を高め、開封後の液体の保存性も高めるデバイスを開発し、機械から生成した新鮮な状態を保てるようにしています。